「でも詩野ちゃん、客を集めに行ったのは本当だよ?」

「どーせナンパのついででしょ?」



「違うと思うよ。浩二はほんとに探しに行ってくれたんだと思う」


僕は二人の会話に割り込んで、浩二を弁護した。



浩二は本当はすごくいい奴で、本当に詩野を喜ばせようとしてくれたんだ。


友達でも恋人でも、例えそれが他人でも、いつも同じ目線で、

同じように接することができる。


そういう奴だ。


付き合いが長いから僕にはわかる。


「各務くんが言うなら信じようかな」


そう言って詩野はまだ半分納得がいってないような顔で、

背もたれに寄りかかった。




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