今日全てが終わる。


僕も…。詩野も…。



みんなで海に行くことも、居酒屋で騒ぐことも、

あの公園で…歌を聴くことも…



もうできなくなるかもしれない。



過去が楽しければ楽しいほど、今が辛くなる。

これからが辛くなる。


だから、今日だけは…

本当に最後かもしれない今日だけは…

どうしても応援に行きたかった。






「今日が始まりの日だな。詩野ちゃんにとっても。…お前にとっても」




始まり?



「俺達にはまだまだ明るい未来が待ってる。今日はその出発点だろ?」


「でも…」


目を閉じて、まだ見ぬ未来に僕らを重ねてみた。


「やっぱり…僕なんかが……」


浩二が僕に近づき、

今度は声を交えて深い溜息をついた。




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