ふと海に行った時のことを思い出した。
「そう言えばさ。あの日、浩二と大輔が調達に行ってる間、詩野が僕に病気のこと話そうとしてたよ」
「マジ?」
「うん。結局そのあとすぐ浩二が戻ってきたから聞けなかったけど、僕にはわかった」
浩二は頬杖をつきながら、何かを考えるように上を向いた。
「それ、本当に病気の話か?」
「え?」
「もしかしたら、お前に告白でもしようとしたんじゃねぇの?」
僕は上唇を上げ、鼻で笑い、
「まさか」
と、漏らした。
「絶対そうだよ!だって二人きりだぜ!?あのタイミングで病気の話もおかしいだろ!」
「そうかな」
心臓がドキドキしたが、僕は冷静さを装った。
浩二が僕の顔を覗き込む。
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