言葉を詰まらせる僕を見て、

浩二が首をかしげ、不思議そうな顔をする。


「なんだよ?」

また言った。


「その、色々事情があって、家に入れなくてさ」

「色々?」

「うん。鍵、北海道に忘れてきちゃったんだよ」

「なんだ。だったらうちに来いよ」


僕がお願いする前に浩二の方から誘ってくれた。


「いいの?」

「…つーか、最初からそのつもりだろ?」

浩二が眉を上げて笑う。

「へへ。まぁね」


「相変わらず俺の部屋は汚いけどな。我慢してくれ」


僕らはゆっくりと浩二の自宅の方向へ歩き出した。


「酒でも買ってくか!」

視線の先にコンビニが見えると、浩二が財布の中身を確認した。

「いいね!」


僕らは大量の酒とつまみを買い、

店を出て再び浩二の家へ歩き出した。





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