そんな祖父の遺影が、 僕に向かって今も微笑んでくれる。 この顔はいつも僕に「頑張れ」と言ってくれていた時の顔だった。 「ありがとうおじぃちゃん。また来るよ」 僕は天国の祖父にそう語りかけ、 母さんの実家をあとにした。 早起きの祖母が僕を見送ってくれた。 「ありがとうおばぁちゃん!またすぐ遊びに来るから!」 祖母はいつまでも笑顔で手を振ってくれた。 僕もそれに応え、 一本道を曲がりきるまで、手を振り続けた。 .