僕にとっては、

やっぱりあの公園が、

浩二や大輔、そして詩野という大切な仲間が、

身体の一部であり、手放せない、離れたくない場所だった。




「ただいま」

「ちょっとあんた、散歩にしては随分長かったんじゃない?」


「ごめん、やっぱり明日東京に帰るよ」


僕は母さんの言うことには反応せず、

そのまま祖母の隣りに座った。


「ごめんねおばぁちゃん。僕明日帰るから、元気で。また来るよ」


「そうかい…。でもありがとう一軌。少しだけでも顔を見れて嬉しいよ」


「どうしたんだ急に?」


父さんが心配そうに僕に言った。



「ちょっと用事ができただけだよ」

「せっかく来たのに、もったいないな。まぁお前ももう大人だ、俺は口だししたくはないが、明日帰る前に、おじいちゃんにも挨拶はしていきない」

「わかってる」




僕は翌朝、仏壇の前に正座し、昨日と同じように線香をあげ、両手を合わせた。


祖父は、僕が一人っ子ということもあってか、

すごく可愛がってくれた。

好きな物はなんでも買ってくれたし、

好きな所へも連れて行ってくれた。


元気のない時はいつも励ましてくれた。




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