「決まったタイプの人間は、決まった形の人生の流れがあるのさ」
「決まったタイプ…それが血液型…?」
「違うよ。血液型はほとんど関係無いね」

なんだそりゃ!
なんで血液型占いの話なのに関係無いんだ…

「ならなんで血液型占いは当たるんだよ!」
「あぁ、そりゃそうさ。予報外れの雨が降る日に『A型は水難注意』とか言われてみ?人間の約25%が当たるだろ?最も当たる占い、だよ」

クスクスと人をバカにしながら笑う。
よく見ると、零の頬はほんのり紅い。
酔っ払って人をバカにするのが楽しくて楽しくて仕方が無いらしい……

「ま、不幸な流れはタイプで解るっていうお話さ。親子兄弟以外で、なんとなく雰囲気似てるなぁ、ってヤツは似た様な道筋を辿るんだよ」
「なるほどね。ところでさ…」

有り難いお話しも終わったところで、手元の雑誌を捲る。

誰かがココに忘れて置いていった、ありきたりな雑誌。
その雑誌の血液型占いのページを開いた。

「零って血液型は何型?」
「ん?あぁ、血液型はね……」

たっぷりと間を開けて出た答えが…

「ヒ☆ミ☆ツ」

下らない。
だが片目を瞑り、顔を近付け言った彼女が可愛いと思ってしまった…