「つまりどういう事だい?」
「占いは信じなさい、って事さ。そして、占いでもどうしようもならない未来もあるってことも、ね」

興味を抱いたとたんに落とされたよ…
酒の席とはいえ、ワケが解らない話だったな…

「ちなみに訊くが、血液占いは信じれるのかい?」
「血液占い…か。アレは当たるよ。多分、どの占いよりもね」

霊的なモノを盲目に信じる彼女がまさか信じてるとは以外だった。

「とゆう事は、この世には4種類しか未来は無いのかな?」
「予言の樹、ってアタシは呼んでいる」

唐突に奇妙な単語を出す。
予言の…樹?

「アタシ達、人間は生まれる前…遥か前は、根源が同じなんだよ。文字通り大樹の根元がね。そこから生まれ、成長し、死ぬまでの道筋は決まっているのさ」

運命と呼ばれるモノだ、と彼女は笑った。

「大樹の大きな道筋は、運命の大きな流れ。行き着く先は枝の先の葉っぱ。枯れて落ちて、ソコで人生終了」

脆く儚い事を、彼女は嬉しそうに明るく言った。

「そして大樹の道筋は、根源が同じだからね、大抵似た流れなモノさ」

グラスの水滴で、テーブルに線を描く。
数本の線だけで樹を描きあげた。