寝る前に考えてみた。
彼女、篠森零の存在を。

義理堅く人情に熱い。
それでいて、
軽薄なまでにクール。

生命的に活気に溢れている。
それでいて、
霊的に死の影に包まれている。

彼女は彼女の法の下、
人を救い、人を罰する。

そして、
自分を救い、自分を罰する。

救いたいなら親の仇さえ救い、
罰したいなら実の親さえ罰する。

完全な自分次第。
簡潔な自己裁判。
感情のなすがまま。

要するに…

「あれでは完全なB型だな…」

単なる自己中だった。

そういえば、彼女に昔言われたな…



◆ ◇ ◆



「アンタは占いって信じるかい?」

唐突な質問。
何気無い酒の席での肴としてか、話題をふってきた。

「占い…ですか?まぁあんまり信じませんねぇ。あ、朝の『ドッキドキ献血占い』なら見てますよ」
「どっきどき…?」
「朝にTVでやってるんですよ。血液型占いです」

よく朝にやっている単純な血液占い。
ラッキーカラーとかを言うヤツだ。

「あぁ…成程ね」
「それがどうかしましたか?」

シボッとジッポで火を着けて一服。
紫煙を吹きながら、彼女は話した。