人間は誰もが皆、
『才能』がある。

野球の才能であったり、
歌の才能であったり、
人を笑わせる言葉、それを言える才能であったり。

はたまた、
殺人の才能であったり、
嘘の才能であったり、
人を傷つける言葉、それを言える才能であったり。

多種多様の才能たち。

人によっては複数持ち、
人によっては大きな才能、つまり天才であったり。

そんな才能をみんな持っている。

「だからこそ…これも才能の1つなワケで…」

そう!決して特種だとか特異だとか…そういうのじゃない。

才能の1つ。
人間の才能の1つ。

「だからですね、人間の不幸を取り除く、そういう才能なんですよ」

風水みたいなモノですよ、と継ぎ足す。

「だからですね…」
「はいはい、安心しろ。金目的じゃなさそうだから捕まえはしないから」

警察官は淡々と話を聴かない。
だから何故、
ワタシが、
こんな目に、
会わなきゃならんのだ!

「えーとりあえず、宗教の勧誘じゃないんだな?」
「違います」
「名前は?」
「ミコト…須佐野命」

ワタシは、
須佐野命は、
生まれて初めて、
警察に捕まった。