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金曜日……
仕事が終わり、家に帰宅する。

斎藤六に話して以来、ワタシの心は常に少女の事を考えていた…

不幸な道を歩む少女を。

落ち込んでいないだろうか、泣いていないだろうか、嘆いて自殺したりしていないだろうか…

心に引っ掛かり、もどかしい気持ちになる。

救えるならワタシの手で救ってあげたい…だけど…

「きっと…無事では済まないだろうな……」

もしかしたら、死ぬかもしれない…

だけど…彼女は…

まだ若い。
未来がある。
幸せでいられる幸福感を、彼女にも知って貰いたい。

その為に、ワタシは出来る事は全力を尽したい。

夜空に月が、
弧を描いた月が、
綺麗に輝いていた。

彼女は流れ星に願いをかけた事はあるのだろうか?
窓辺にただずみ、必死に流れ星を探した事はあるのだろうか?
見つけたとすれば、どんな願いをするのだろうか?

『幸せになれますように』

そんな些細だが叶わぬ願いではないだろうか?
そんな事を考えていたら、テーブルに置いた携帯電話が鳴った。

着信音は某大怪獣のテーマのロックアレンジ。

明日は休日。

……嫌な予感しかしないのは何故だろう?