天命というモノがある。
天、則ち神が与えた運命というモノだ。

ワタシは神は信じない。
宗教的な意味で、だ。

だから天命というのも信じない。だけど…

運命は存在しうるのではないだろうか?
運命というよりシナリオと呼べる、人生の筋書き。

道を歩き、十字路に出る。
前に進むか、
左右に進むか、
はたまた引き返すか。

如何に筋書きを破るかが、人が不幸にならない生き方であろうと、ワタシは思う。
神様は、運命は、面白い不幸なオチを望んでいるから。

だからそう、ワタシが今、この隣にいる女性と歩いている事は、運命にとっては実にシナリオ通りに進んでいるのかもしれない。

彼女は良くない事を引き起こす、トリガーの様な存在だ。
実に神様好みな女性だろう。

そんな悪い予感を抱えつつも、ワタシは彼女との縁を切る気は無い。
彼女が引き起こすトリガーの結末が、果たしてどんなものなのか、最期まで見たいと思ってしまう自分がいるからだ。

ヤるからには大惨事であれ、きっと彼女の結末はそうに違いない。

だからワタシは彼女の傍にいる。
だからワタシは惨事に巻き込まれる。

少し前に遡ろう。
何故今日、ワタシが彼女の横にいるのかを…