「あ…零、ちょっとどいて」
「遅いよ零。君はいつも突然だね」

…へ?
先生と同時に変質者の口が開く。

何で篠森さんの名前を…

「悪い悪い。…って、アレ?なんでアンタ達揃ってるの?もしかして知り合いだった?」
「何を……ん?この人がその不幸な少女?とても少女と呼べる年齢じゃないような…」

苦笑いで先生が少女で無いと否定した。
先生も私も唖然としていた。

「へ?知り合いじゃないの?」
「ワタシは知らないよ。誰だい?」
「零、この変質者と知り合いなのか?」

三人+私は三角形の形で硬直していた。
変質者、霊能者、先生。
実に嫌な三すくみだった。

「……プッ!アハハ!命、アンタ変質者だってさ!美雷になんかやったのか?」
「なッ!?知らない知らない!ワタシは何もやっていない!誤解だ誤か……ん?」

変質者は先生の背後の私に気付いた。
そして顔をみるみる青ざめさせていった。

「う、ウソだろ……」
「そうだよ!私の可愛く可哀想な教え子だ。お前が変な事をした、な」

先生が喧嘩腰で怒鳴る。
先生…変な事はされてませんよ…

変質者はただでさえ白い顔をより蒼白にし、愕然としていた。

篠森さんは…まだ爆笑してる…