「は、はい。また会えましたね…」

愛想笑いすら苦笑いになってしまう。
綺麗だがどこか威圧的な彼女が、無機質な造形物の様に淡麗な彼女の笑顔が、私はどうやら苦手みたいだ。

まるで…私の中のナニカが、彼女に近付くのを嫌っているかの様に…

「はじめまして!荒川仄です」
「やぁ、はじめまして……じゃないよね?」

仄の挨拶を笑顔で否定した。
ニヤニヤしながら私達の後ろの扉を指差す。

完全にバレている……

「あ、アハハハ…気付いていたんですか?」
「まぁね。アンタの目は解りやすいよ。綺麗ないい目をしてるからさ」

こんな欲にまみれ濁った目が『綺麗ないい目』ですか?

「おや?初対面じゃないのかい?」
「そうだよ。この娘には職員室の場所を案内して貰ったし、この娘には覗き覗いた仲なのさ」

どんな仲なんだ……

「さて、じゃあ軽く自己紹介をさせて貰うよ。アタシは篠森零、怪しくも霊能者まがいの事をやっている癒し屋だよ」

自分で怪しいとか言っちゃったよ…
とゆーより、癒し屋って…何?

「癒し屋って何?って顔してるね?癒し屋っていうのはね、マインドセラピストって感じかな?」

セラピスト…療法士?