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授業が終わり、昼休憩。
先生が私の席へ近付いてきた。

「庵樂、悪いけど飯食べずに職員室に来てくれ」
「ご飯食べずにですか?」

私の為だって事は解ってるが…流石に昼抜きはキツイですよ…

「美雷先生!私も私も!」
「あン?まぁ、構わないが…飯抜きだよ?」
「大丈夫ですよ~。昼抜きぐらいダイエットで慣れてますから」

嘘を吐け。
仄…君はさっき国語の時間に食べていたじゃないか…

教科書を立てて弁当を食べるという典型的な早弁のやり方で、仄は弁当を完食していた。

「それなら別にいいよ。二人ともおいで」

教室を出る先生の後を追い掛けた。

職員室って事は、あの女性と話せるのかな?
盗み聞きした感じ、どうやら霊能者の類の様だけど…

職員室に入り来客用の空間へ行くと、先程と同じ場所に彼女は居た。

優雅に座りながら紅茶を飲む姿は、やはり女性として最高級な芸術品を思わせた。

「紹介するよ。この人は私の友達で篠森零。んで、この娘達は私の生徒の庵樂幸菜と荒川仄」

ソファーから立ち上がり、魅力的な笑顔で握手した。

「また会いましたね。お嬢さん」

彼女の手は氷の彫像の様に、綺麗で冷たかった。