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「ふーん。そんなに美人なのかね?」

熱く語る私。
冷めた反応の仄。

温度差は北海道と沖縄ぐらいあるようだ。

「なんでそんな反応なの!?」
「いやいや、見てないモノを美人だのスリムだのバイーンだの言われてもねぇ…」

まぁ、あの凄まじさは見ないと解らないかもしれない。

私は見たから解るのだ。
遺伝子的に敗北する、彼女の魅力が。

「見せてあげたいよホントに。女性として敗北するよ…」
「それはただ単にユキが平均以下なだけじゃ…」
「な…ッ!酷いよッ!」
「アハハ、ゴメン。冗談だよ。ユキは平均以上だと思うよ。胸以外は」
「……さりげに胸の事を言わないでくれるかな?」

結構気にしてるのに…
相変わらずズカズカと言う娘だ。

「でも興味が無くはないよ」
「何が?」
「その女性。ミス漣と言われている私とどっちが美人か、白黒ハッキリつけたいね」

仄は確かに結構美人な顔立ちではあるが…
ミス漣だなんて聞いたこともない。

というよりミス漣自体聞いたことがない。

「まだ職員室にいるかもね」
「よし、行こう」
「……へ?」

思い立ったらすぐ行動。
仄は立ち上がると、私の腕を掴み教室を出た…