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…とまぁ、この数日間で斎藤六とは仲良くなり、篠森零に心配されるようになった。

あれから一年、六と会う度に陸奥さんとも会っていた。
あの時以来、陸奥さんは簡単に出入り出来る様になっていた。
更に、陸奥さんだけで外の世界へ幽体離脱まがいの事が出来るらしく、今日もソレで先に来ていたらしい。

なんともイヤな悪霊だ。

「なんか俺に言いたそうな顔だな、命君」
「いや、素晴らしい守護霊だなーと思っただけですよ、陸奥さん」

こうしてすぐにコロコロ替わるのは止めて欲しい。

「で、なんの話でしたっけ?」
「君の女運の無さをどうにかしよう、という話だよ」

違う。
絶対に違う。

「いい加減な事を言わないでください…」
「まぁ高校生狙うロリコン野郎は警察に捕まればいい、という結論だ」

あー、悪霊の祓い方を零に教えて貰わなきゃな…

「冗談だよ。そんなに悪霊を見る目で人を見るな」
「一年前に戻れるなら全力で貴方もついでに喰らいますね、間違いなく」

塩でも振り掛けてやろうかな?

「言っとくが、食塩じゃ悪霊は消えないぞ?」
「人の心読まないでくれますか?」

二人で笑い合った。
幸せな笑いを。