凹む守護霊。
威厳は皆無に等しかった…

「それにしても守護霊さん、アンタがいたのに何故六は不幸になったんだ?」
「あぁ、それはね……」

六道開いて…
陰気が…
魂魄の流れ…

よく解らない単語ばかりだが、彼女には大体意味が解るらしい。

まぁ体験済みだから簡単に略すと…

『六の幸せの為にチカラを使い続けていたら黒い穴が開きすぎて、そこから不幸の元であった悪霊が溢れる様になった。六の中でそれらを少しずつ祓っていたため、俺(陸奥)の加護が六に働かなかった』

で続き…

『青年(ワタシ)が黒い穴を閉じて悪霊の大元を片付けてくれたから後は六に加護を与える事が出来る。まぁチカラを引き出す黒い穴がなくなったから大した事は出来なくなったけどね』

……だそうだ。

ワタシには理解しづらい世界だが、実際に少し体験してしまったからなんとも言えない。

「まだ少し六道のチカラが残っているから君達の未来を視てあげよう」
「へぇ?ソレは実に有難迷惑な…」

彼は最高の笑顔で、
彼は最悪な予言を。

「君達は大凶以上の不幸にみまわれるだろう」

ワタシを見て、

「逃れられぬ運命と」

彼女を見た。

「逆らえぬ宿命に」