「で、今回はなんでまた倒れたたんだい?」

プシッとビールのプルを開け、ソファーに座りながら訊かれた。

「不幸が大きすぎたんですよ。ワタシには荷が重すぎました」
「ということは失敗したのか?」
「いや、成功したよ。俺が言うんだから間違い無い」

横で寝ていた六さんが半身起こして喋った。

「解るんですか?」
「あぁ、もちろん。ありがとう…」
「とゆーかアンタ誰だ?」

零の口調が変わる。
誰って……あ!

「斎藤陸奥、だよ。詳しい説明は頼む、命君」
「やっぱり陸奥さんでしたか。自称守護霊ですよ」


まぁ守護霊っぷりは六さんの中で体験したが…怪しい事は変わり無いので自称守護霊にしておこう。

「悪霊の次は自称守護霊か…酷い扱い、感謝するよ」

笑顔で言われたが声が笑っていなかった…

「命、コイツは不幸とは関係なかったのか?」

守護霊に向かってコイツ呼ばわり。
彼女に怖いモノは無い様だ。

「そうですね…まぁ不幸の張本人ですが、守護霊には変わり無いので」

まぁ途中で力尽きたのもあるけど…

「放っておいても害が無い程度、ですかね」
「それなら構わないか」
「一応正真正銘守護霊なんだけどね…」