そんなワケで、お祓いじゃあ無理だってわかっている。
じゃあどうすればいいのか?簡単だ、不幸以上の幸福を手に入れればいい。
まぁ、中々手に入らないんだけどね。

「おーい、聞いてるかーぃ?」
「あ、すいません。聞いてませんでした」
「ムカつく程スナオだね、アンタ。で、ホントにいいの?知り合いの話じゃその霊能者、本物で凄いらしいよ?」

本物だろうが、凄かろうが、お祓いはお祓い。私には…不幸少女には効かないから。

「無理なんですよ、お祓いじゃあ」
「そっか、なら仕方ないか。解ったよ。だけどね、お節介ながら私は探すよ。お祓い以外のお祓いを、ね」

ニヤッと頼もしく笑う。こういう所はとてもいい先生だ。
この人のお陰で、高校生として、私はココにいれるのだ。

「国語の教師なのに、日本語が変ですよ」
「気にしない気にしない。言語の乱れは若者だけの特権じゃないからね」

胸を張り、腕を叩く。
私も将来、こうなりたいモノだ。

「さ、話は終わりだ。教室に戻りな。転ばないようにね」
「わ、わかってますよ…ッ!?」

立ち上がると同時に、脛に衝撃が。机が…脚にィ…

涙目でボヤけた先生を見る。声を殺して笑ってる…ヒドイ…