「ただいまー!食糧調達班帰宅ーゥ!」

ガチャ、と勢いよく部屋に入る零。
ベッドで二人のワタシ達。

零の顔に『?』の文字が見える。

「起きたみたいだね、命。えーそのー…アタシ邪魔かな?」
「違いますよッ!」
「勘違いですよ」
「そうならベッドに入らないでくれッ!」

急に大声を出してまた眩暈。
クラクラする……

零は腹を抱え大笑いしていた。
毎度の事ながら、またからかわれた様だ。

「ハハハ。元気でなによりだ」

ゴトンと買い物袋をテーブルに置く。
随分と大量に食糧を買い込んだな。

「で、此処は何処ですか?」
「六の家、六の部屋だよ。アンタが寝てるソレは六のベッド。男同士で寝てたのさ。アタシはソファー」

男同士…
せめて零と寝たいよ…

「店で気絶した後、二人で車まで担ぎ、車でこの家まで来たのさ」
「意識が無くなって停止したかと思えば、急に白眼剥いて倒れましたからね」

今まで何回か不幸を喰らう事はあったが……気絶したのは今回が初めてだった。

それ程大きな不幸であり、
これ程大きな代償である。

それでもワタシは助けたい。
例えソレが偽善と呼ばれようとも、幸せな笑顔の為に。