「別に構わないが…あの程度の悪霊も祓えぬ君が行っても、どうにもならないと思うよ?」
「大丈夫ですよ。ワタシはね…」

力強く言い切った。
迷い無く言い切った。
ワタシは…

「ワタシは、不幸を喰らう為に来たのですから」

喰らう、という言葉をじっくり噛み締めた後、彼はワタシを見た。

「いいだろう。彼の根源は五年前にある。着いてきたまえ」

奥へと歩き始めた。
歩きながら彼は、

「君に賭けよう。俺と六の全てを」

と呟いていた。
少し重いよ…



◆ ◇ ◆



「ここだよ。彼のナカの五年前、根源たるキッカケ。不幸体質の始まりだ」

イメージとしては道。
ポッカリと大きな横穴が開いていた。
人の形に開いたその穴は、良くないモノの通り道になっていた様だ。

「一つお訊きしますが…」
「なんだね?」
「コレが開いた原因とかありますか?」
「俺自身だよ」

臆することもなく言っちゃったよ…
つまり何もかも守護霊の性か…
大した守護ップリだなぁ……

「仕方無いだろ。当時の六を救うのに少しばかり大量にチカラが必要だったんだから」

少しばかり大量に…って…