「人の事を悪霊だなんてゆうヤツは悪霊に蹴られて死んでしまえ…」

ブツブツと屈みながら呪い事を呟く守護霊。
やっぱり悪霊じゃん…

「ん?悪霊……?」

気配がして真上を見る。
無数の影がワタシを見下ろしていた…

「なんだこりゃ!?」

ボトッボトッと落ちてくる黒い塊。
陰影が無く、平面の影の様なモノがそのまま蠢めいていた。
取り憑くモノを探してウゾウゾしてやがる…

「悪霊、だよ。それこそ正真正銘タチの悪い醜い存在さ」

いつの間にかショックから立ち直り説明してくれた。
その悪霊に囲まれながら平然と。

「どうやらオモテに何か強力なモノがいるらしいね。彼等は出るのを嫌がって、身近な君を襲おうとしてるよ」

強力なモノ…彼女か。
確かにあんなモノが真横にいるのに悪霊が飛び出したら面白い事になるだろう。
猟師の前に飛び出す鹿の様に、漁師の船に飛込む魚の様に。
あっという間に討たれるだろうなぁ……

「ってウオォ!?」

真上からボチャっと落ちてきた。
コレに触れるとどうなるか…想像するのもおぞましい。
ゆっくりと、確実に、接近してくる悪霊達。
油断してるとすぐに取り憑かれるだろう。
急がないとな…