「須佐野さん、貴方ホントに学習しないんだな…」

…と言われたワケだ。

「ホントに有り得ないですよ…信じられねぇ…」

どうしてココまで言われなくっちゃならないのか?

「貴方確か前もそれで逃げられたでしょう?」
「昨日も別の人物に逃げられたよ。しかも警察に捕まった」

それを聞くとますます呆れ顔に。
言わない方が良かったかもしれない。

「はぁ…いい加減見ず知らずの人物の為にチカラを使うのは止めたらどうですか?」
「そうは言われてもねぇ…」

まぁ確かに彼女は他人だ。
赤の他人だ。
助ける価値なんて無いだろう。
だけど…

「今回は別だ。彼女を助けたいと心の底から思っている」

六の眼を見ながら、
真剣に彼を見ながら、
ワタシは決意を話した。

「……解りましたよ。だけど急に言うことは無いだろ?せめて俺の時みたいに篠森さんの紹介とかじゃなきゃ…」

六の時…
彼の不幸の時…

彼の不幸も中々大きかった。

単純に質量として、
彼の不幸は大きかった。

その大きさに取り除いたワタシ自信が、体調を壊した程だ。

あの時以来、斎藤六とは仲良くなり、
彼を紹介した彼女がワタシの身を安ずる様になった。