「イタタタ…いや、真剣な話よ？」
「真剣なら尚更悪いッ！」

ベゴンッと更に殴る。
あ、泣いた…

「痛いよッ！」
「私の心も痛いッ！」

無茶苦茶痛い。
私の方が泣きたい。
頭のおかしい変質者が似合うってどういう事だ…

「だってさ、不幸なユキの事だからさ、これから先の出会いは二択だと思うよ？」

ピッと指を二本立てる。
そしてその内の一本を指差す。

「ひとつ、顔が良くて頭のおかしい変質者」

そしてもう片方の指を指差して言った。

「ふたつ、頭マトモな顔がブッサイクな面白くない人間」

冗談では済まない事を言う。
あながち空想論でも無い。
信じられない程、リアルな話だった。

「こんな二択。私は迷わず前者を選ぶね」
「私は…マトモな方を選ぶわ…多分……」

力無く言う。
だってさ、こんなのホントのホントに『究極の二択』じゃない…

ウ〇コ味のカレーか、
カレー味のウ〇コか。

どちらにせよ地獄。
神様…私にどうしろと！？

「あ、もう一個あるよ」
「な、何！？教えて！」

絶望から聴こえた希望。
ホノカが出会って初めて神々しく見えた。

「生涯独身」

神々しく見えた…気がしただけだった……