「でさぁ、結局変質者ってどんな姿してたのさ?」

歩きながらホノカが言った。
どんな姿…?
どんな格好だったっけ?

「やっぱりさ、こう暑いのにコート来て、呼吸荒いヤツ?それとも宗教チックに神父みたいな服?」
「んー…格好は確か…タイトなシャツに、スリムなジーンズ、オシャレな感じだったかな」

随分と細そうなヤツだね、とホノカが笑う。

「じゃあさ、外見は?顔とか背丈とか。やっぱり狐や宇宙人みたいな顔?」

彼女の頭の中の変質者には人権が皆無のようだ。
狐はわかるが…宇宙人ってどんな顔だ…

「顔はね…優しそうな感じ。結構…いや、かなりマトモだよ。むしろカッコいいぐらい」

変質者的な発言しなきゃ、ホントいいのに。
結構好みなんだけどな…

「ユキ、あのね…」

神妙な顔付きになる。
ホノカがこんな顔するのは珍しい。
そして私の両肩に手を置き一言。

「やっぱり、その変質者でいいんじゃない?不細工じゃないし、少し頭おかしい方がユキには似合うよ?」
「…殴るよ?」

バゴンッと鞄で頭を殴る。
神妙な、かつ真剣な顔しながら言うにことかいてソレかッ!?
つーか、頭おかしい方が似合うって、どういう事だッ!