その様子を見ていたホノカが近付いてきた。

「ミライ先生…またヤケ酒ですか?」
「…またとはなんだ?」
「また、フラれてヤケ酒、って意味」
「フラれてねぇよ!…ッ!イタタタ…」

起き上がりかけて、再び沈む。
本気で本当に二日酔いだね…

「いやーミライ先生、相変わらずモテなさそうなオーラが出てますから」
「どういうオーラだ…」
「ユキを見習ってくださいよ。ユキったらモテモテっすよ」
「な~に~!?」

ガバッと起き上がる宝杖先生。
怒りが二日酔いの痛みにうち勝った様だ。

「不純異性交遊かッ!?」
「ち、違います!」
「変質者に狙われただけだよ」

ホノカが笑いながら言った。
変質者に狙われただけとはなんだ、だけとは!

「変質者ァ?」
「そうです先生、聞いてくださいよ」

変質者の変質っぷりを、先生にじっくり話してあげた。
横ではまだ、ホノカが笑っていた。

「ほぅ…そりゃ変質者に違いないな」
「ですよね?ですよね!」

先生は少し考えた後に、呟く様に言った。

「不運の次は、変質者に憑きまとわれるのか…」
「まぁ、ユキにはちょうどいいんじゃない?」

ちょうどよくない!
魂の叫びが、教室に響きわたった。