「あの…?」
「………」
「どうしました…?」
「………!」

そこで映像が終わる。
かなりの長時間視ていたようだった。

今回のは予知とは少し違う。
予知というより、予告…

これから始まる、
最高傑作な不幸。

それに対する予告編。

コレを…救う事がワタシに出来るだろうか?

…だが、救わねば…
彼女は間違いなく狂うだろう。

グニグニと曲げ続けた針金が、ある日突然ペキンと折れる様に。

彼女の…
か弱い彼女自身が…
ペキン…と。


「…あのね」
「は…はいッ!」

意を決して彼女に言う。
ワタシが救わねば、
誰が彼女を救えるだろうか?

「君…」
「…はい……」

まずは…
彼女自身に自覚して貰おう。

「…不幸だね?」
「はいッ!……はぃ?」
「ふむ、不幸だ。実に不幸だ。」

そして、
怪しくない様に。
脅えさせない様に。
優しく…

「まさか…こんなにも不幸なんて…」

まだ断片的にフラッシュバックする。チカチカと目眩が…

ワタシ自身が迷っていた。
救えるのか?
救った時、ワタシ自身は無事でいられるのか?

そんな時…
悩み悩むそんな時に…

とある少女の笑顔が見えた…