◆ ◇ ◆
揺れる車、過ぎる景色。
ココが何処だか私には解らない。
カーステレオから流れる曲が、時代の古さを示していた。
「お、ユキ。起きたか?」
バックミラーで私を確認すると、父が明るい声で言った。
その言葉に反応して、母が振り向いた。
「ユキちゃん、おはよー」
「んー、おはよー」
子供の可愛い声が私の口から出る。
幼い頃の私の視点から、夢は始まった。
「あらあらあら、ユキちゃんヨダレが凄いことになってるわよ?」
「よだれ?…わッ!ほんとだ…」
小さい手の甲で口元を拭うと、ベタベタに…
子供の時とはいえ、随分と恥ずかしいなぁ。
「もう少しでお祖父ちゃんの家に着くからね。寝といていいぞ」
「ううん、わたし起きとく!」
視線が動き、窓の景色が映る。
木と空と雲しか映っていないその景色は、見ているだけで感動することが出来た。
「あついねー」
「暑いわね、ユキちゃん。お祖父ちゃんの家に行けば涼しいから我慢してね」
「うんッ!わたしガマンする!」
母の方を見ながら頷く。
母は笑顔で私の口元を拭った。
ヨダレがまだついていたのだろう。
外の景色は見覚えのあるモノになっていった。
揺れる車、過ぎる景色。
ココが何処だか私には解らない。
カーステレオから流れる曲が、時代の古さを示していた。
「お、ユキ。起きたか?」
バックミラーで私を確認すると、父が明るい声で言った。
その言葉に反応して、母が振り向いた。
「ユキちゃん、おはよー」
「んー、おはよー」
子供の可愛い声が私の口から出る。
幼い頃の私の視点から、夢は始まった。
「あらあらあら、ユキちゃんヨダレが凄いことになってるわよ?」
「よだれ?…わッ!ほんとだ…」
小さい手の甲で口元を拭うと、ベタベタに…
子供の時とはいえ、随分と恥ずかしいなぁ。
「もう少しでお祖父ちゃんの家に着くからね。寝といていいぞ」
「ううん、わたし起きとく!」
視線が動き、窓の景色が映る。
木と空と雲しか映っていないその景色は、見ているだけで感動することが出来た。
「あついねー」
「暑いわね、ユキちゃん。お祖父ちゃんの家に行けば涼しいから我慢してね」
「うんッ!わたしガマンする!」
母の方を見ながら頷く。
母は笑顔で私の口元を拭った。
ヨダレがまだついていたのだろう。
外の景色は見覚えのあるモノになっていった。