手を繋いだままあたしの家の近くまで歩いてきた時、あたしは「ここでいいよ」と言って、繋がれた手を離そうとした。

でも、悠はなかなか離してはくれなかった。

「悠ー?ここでいいって、ありがとう」
「いや、あのさぁ…」
「ん?」
「ちょっと、目瞑って?」
「はあ?んーまぁいいけど…」

言われるままに目を瞑ると、3秒後ぐらいにちゅっと可愛らしい音とともに悠が私にキスをしてきた。

こんな誰が通るかわからないとこでするなんて、悠らしくないな。
なんて思いつつじっとしていると、口の中に何かが入ってくるのがわかった。

「んーっ!」

何か、固くて、小さいもの。

ゆっくり悠が唇を離してニヤリと笑った。
「のど飴、返すね」

「もうこんなに小さいなら最後まで舐めろよバカ!」
「んーまぁいいじゃん?」

「もー…じゃあまた明日ね」
「うん。明日も迎えにきますー。ちゃんと起きといてねお寝坊結衣さん。」
「言われなくても起きます!」


「じゃ。」

寂しそうに笑って手を振る悠に、やっぱり悠のことが好きだ、大好きだと感じた。







(キスする口実にしたくて、)
(飴ゆっくり舐めてたなんて)
(内緒だよ)




20111211
悠×結衣の番外編でした☆