ある日の放課後、
悠がいつもみたいに私の教室まで迎えに来てくれた時のことだった。
ごほごほ、と咳ばかりしている悠。
「ちょっと悠、風邪?」
「んーわかんないけどさぁ昨日の夜から咳がとまんなくてさあ」
「それたぶん風邪だよ」
ちょっと待ってね、とバッグからのど飴を出そうとごそごそと漁っていると、
やんわりと手を止められて一言「そんなのいいから、早く帰ろ」と笑われた。
あたしは頑固だって、知ってるくせに。
「やーだ。ちょっと待ってってば。すぐ見つけるから!ね?」
「んー…俺食べないよ?のど飴。」
いーやそんなこと言いながら食べるんだ。
あ、でもスースーするのが嫌いとか昔言ってたっけな。
「あ、あった!ほら、これ食べて!」
『いちごのど飴』と書かれたピンクの可愛らしいパッケージののど飴。
ほら、と悠の前に差し出すと唸りながらも一応受け取ってくれた。
それでも食べずにコートのポケットに入れようとする悠に私はすかさず言う。
「悠!今食べるの!!」
「はぁ?だから俺食べないっつったよね?」
「だーめ。痛いんでしょ?食べたら、少し楽になるって、たぶん」
「たぶんかよ…」
悠がいつもみたいに私の教室まで迎えに来てくれた時のことだった。
ごほごほ、と咳ばかりしている悠。
「ちょっと悠、風邪?」
「んーわかんないけどさぁ昨日の夜から咳がとまんなくてさあ」
「それたぶん風邪だよ」
ちょっと待ってね、とバッグからのど飴を出そうとごそごそと漁っていると、
やんわりと手を止められて一言「そんなのいいから、早く帰ろ」と笑われた。
あたしは頑固だって、知ってるくせに。
「やーだ。ちょっと待ってってば。すぐ見つけるから!ね?」
「んー…俺食べないよ?のど飴。」
いーやそんなこと言いながら食べるんだ。
あ、でもスースーするのが嫌いとか昔言ってたっけな。
「あ、あった!ほら、これ食べて!」
『いちごのど飴』と書かれたピンクの可愛らしいパッケージののど飴。
ほら、と悠の前に差し出すと唸りながらも一応受け取ってくれた。
それでも食べずにコートのポケットに入れようとする悠に私はすかさず言う。
「悠!今食べるの!!」
「はぁ?だから俺食べないっつったよね?」
「だーめ。痛いんでしょ?食べたら、少し楽になるって、たぶん」
「たぶんかよ…」