目が合ってしまって、私の体は凍ったように固まってしまい、視線も固定されたままになってしまいました。

「なんだ、まだいたのか。早く帰って勉強しろ、じゃあな」

固まってしまった私をよそに、先生はすぐに目をそらして職員室へと戻りました。

それを見て、私も「よし、帰ろう」と独り言ちてから靴箱へと向かいました。



私が、先生と出会ったのは今年の4月でした。
今から8ヶ月前のこと。

4月に、私がいるこの高校に赴任した松本先生は、学校に来る前から結構噂されていた。

「ねぇカナ聞いた?なんかものすごいかっこいい先生が来るんだって」
「へぇ!楽しみ!!」

なんて、私も友達と話していました。

そして赴任式。

スーツを着た先生たちが椅子に座っているのを私は食い入るように見つめました。
すると、誰よりも輝いているオーラが出ているような、松本先生を見つけたのです。


先生はとても緊張しているようで、俯いていたので私の視線には気づいていなかったでしょうが、私は先生を見た瞬間、どくんと胸が弾んだのです。


おそらく、今思うと一目惚れでした。