お願い、こっち来ないで?



!?



やっぱりいたんだ……


今更後悔。


悲しすぎるよ~~~~~~~~



あ、メールに続きがある。



「会わないようにしたのって、彼氏サンと別れないようにするため?」



むっか~~~~~~~~~っ


てか、いつもメールでのデスマス口調じゃねぇし…



「次会ったときは真っ先に回し蹴りすっからな!!」


という脅しのメールを返しておいた。



どーでもいいことだけど、そのメールのあと、


「それは勘弁してくだせぇ」


っていうメールが来た(笑)







そんなメールは本当にどーでも良くて…



3年になったらまた優が居るんでしょ!?


で、勇の事知られちゃったしぃ。




どーしましょー。


とか思ってたらメールが来た。


「だから今度北公園来て?」



は???


「行く気無い」


と、ぴしゃりと返した。



つもりが、


「いいじゃん。今日来てたじゃん?」


次の作戦は無視。


あと5回くらい、しつこ~く着たら着信拒否(笑)


使ったことねーな、着信拒否って(笑))






結局、あの後は連絡なし。


鳴らないケータイって、見ててもつまらんなぁ…



って思うと案外鳴ったりするんだね、コレ。





………………





ちょっとケータイを放り投げたい気分になった。


「やっぱいーよ、今度北公園行く」


と、優にメールを送った。



何か……


マージーでーーーぇ


何にもやりたくねぇなぁ……


あーーーあーーーーー。








あの後、何があったか。



……忘れた。



なーんて言えるようなもんじゃない。


誰に言ったらいーんだか。


学校でも、周りから言われた。




「やほっ♪


なーに暗い顔してるのっ??」



「だあーーーーぁっ、


うるせーうるせーー。


おめーーにはわっかんねーよっ!!」


と、適当に言ったら、(よく考えたらコレ、キャラ崩壊だよな…)


なんか吹き出されたし!!!!!!


こ、このやろ~~~~~


「わっかってるよっ!!!」


笑いをこらえた赤い顔で、さっきの「わっかんねーよっ!!」のほぼパクリ。


わかんねーークセに、生意気な~~~



「こんなの単純明快。彼氏サンと別れたんでしょ?」



あっさり言うな!!!!



……まあ、そーですけど何か^^?


「ああ…ゴッ、ゴメンッ」


「わかったならいーって。私だってそんなに……気にしてないし」



気にしてないわけがない。


気にして気にして気にした。狂うほど、気にしてた。



「強がりだね、冷たいだけじゃなくって」


「オイ、今、なんつった??」


「ひーーーっ(汗」


でも、優といると、気にしてるのも、少しは収まる気がした。



「何で別れたの?…あ、フラれたんだ」


「コノヤローーーー!!!!


そんな事をさらっと言うなーーーー!!」



この無邪気さと無神経さ。どーやったら手に入るんだ。


「……何でか知らないケド、あの日、家帰ってから、アンタからメール来て、でしばらくしてきたメールに、


『もう別れた方が夏香のタメだと思う』


ってあった。……それだけ」



…私のタメって何!?







「夏香のタメ、ってどーゆーコト??」



さっき私も同じこと思いましたが。


「わからないのはお互い様」



賢い優はふふっと笑って、こう言った。


「べんきょーとか??」


「んなーーーっ!?


勇より私のが賢いっつーーの!!!!」



そして、「今度言ったらぶん殴る」と、呟いた。


いや、単なる脅し。変質者とかじゃない限りは殴るなって空手の先生に言われてるから。


「じゃぁ…あっ」




急に「あっ」とか言うから、またクソ親が出てくると思ったけど、違った。


優の前に現れたのは、全くと言っていいほど可愛くも、綺麗でもない、





でも、純粋そうな女の子―――――





この子、まさか…………!?






「は、初めまして…」


女の子は丁寧にお辞儀をした。



その顔を見ると、あまりきちんと洗顔できていないような、ニキビだらけの顔。


矯正してそうな歯並びは羨ましいほど良い。


でも、まつ毛は短いし、目も小さいし、何より背も150cmあるかないか。



性格は一般的に、”大人しそう”。



「あ、えっと、坪井(ひらい)夏香さんですよね…?」


「あ、うん^^優から色々聞いてるんだ?」


「あ、はい。宮本クンから、よく…」


「へぇ…ところで、何て聞いてるの^^」


「あ、えっと…きゃっ」



急に優が女の子の口を塞いだ。


「止めとけ、涼花(すずか)。


今まで言ってなかったけど、空手で全国10位なんだから、こえーよ?」


案の定、涼花ちゃんと言う女の子は、顔を赤くして、言葉が詰まってる。



「あ、言い忘れてたけど…


コイツ、最近できた彼女の涼花♪」


「大体察しはついてましたー」


「ふぅん。じゃ、帰る」




なぜかまた一人、消えてった気がした。


アンタにも言わなきゃならないみたいだね、さよーなら。





…………はぁ。


さっきからずっとため息ばっかりついてる。



”ため息つくと、幸せが逃げてくよ?”


って、聞いたことあるな…


って思ってつかないようにしてても、つい、ため息と幸せが私から出てくる。




”別れた方が夏香のタメ”


”彼女の涼花♪”



何で?


一体、何がどーなってこーなっちゃった……の?





微かに、メールの着信音が聞こえた。


『さっきはすいません。


今度、3人でどこか行きませんか?


私も伺いたいことがありますし^^


涼花』



どーゆー神経してるんだこのカップル。


2人で行ってこいよ!!と言いたくなる。


でも、私”も”ってことは、2人とも私に用があるんだろうと思い、行くことにした。


待ち合わせは北公園。






一番に北公園に来たのは涼花ちゃん。


二番目が私、約束の時間から2分遅れて、優が来た。



……こーゆー時って、フツーカップルで来ねぇのか???



「はい、優遅刻。後で私たちになんかおごること絶対」


「ぐぇーーーっ1,2分じゃん(汗)そんなケチケチする!?」


そんなS(言うまでもなく私)とM(言うまでもなく優)のやり取りは、


どーーーやら涼花ちゃんには漫才に見えたらしく、ずっと笑ってる。



「あ、そろそろ行きませんか?


お店の予約時間まであと20分しかありませんし」


涼花ちゃんはなぜか敬語。あんまり気にしてないケド。



ぼーーーっとその店に行きながら思った。


涼花ちゃん、なんであいつと付き合ってんだ???


よくよく考えたら不思議だ。


こんな弱っちぃヤツなんかを……