「なんでこの人を殺した」

「敵だからですよ」

ニッコリ笑いながら言う光秀。

「敵って..そんなことしたら警察に...」

「けいさつ?何ですかそれ」

「惚けるな!!」

呆れた顔をする光秀。

「はぁ~仕方ないじゃないですか。だってこの世は、下剋上の戦国時代ですよ。」

「えっ...戦国時代?」

「はいそうですよ」

よく見ると光秀は顔では笑っているが、眼鏡の奥に映る瞳が笑っていない。

「........。」

「どうしましたか?」

「なーんだ!!そうゆうことだってんですね~納得です」

「理解していただけましたか」

「はい!!それはもう」

真柴は思った..光秀様が二人いると...。なぜならどんな時でもまったく目を閉じていていていい笑顔の鬼村・だ・が・目を開けた時やばいことになりそう。そして、光秀はさっき書いた通り、瞳が笑っていない。真柴は光秀と長年一緒に居るためすぐわかるのだ。

「光秀様....そろそろ」

「ああ...そうですね。宜しかったら一緒にきませんか?行く宛も無さそうですし」

「ホントですか?有難うございます。光秀」

よ...呼び捨てかよ!!(真柴心の声)

「いえいえ...お名前は?」

怒ってる...光秀様怒ってる!!(真柴心の声)

「鬼村圭一です」

「バカ村圭一ですね。あってますか?」

ギャァァァァア!!ワザとだ...絶対ワザとだ!!(真柴心の声)

「違います鬼村圭一です。聞く気あるんですか?」

「すみません..そう聞こえてしまって。悪気はないんです」