麻由はやっと自分が禁煙している事を思いだしたらしく、まだ長いタバコの火を消した。
「坂井なら絶対やるね」
わかっていても心がモヤッとなる。

誰だって嫌われるのはツライ。
それも好きな人になんて。

「そう簡単に別れるかな」
麻由はビールのお代わりを頼んだ。

私も直之と別れるのは難しい気がした。

「いざとなったら転職してでも別れな。その方が優子の幸せのためだよ」
麻由は来たビールを一気に飲み干した。