――――ちょうど、その時だった。 「琴乃、ただいま」 私の部屋の扉が開き、そこから端正な顔を持った男が現れる。 極上な男……としか、言いようのない。 「おかえり」 私はベットから降りて、男の傍に行くと 「……お兄ちゃん」 男―――私の兄、野口亮はふっと口角を上げた笑みを私に見せた。 「あぁ」