「…婚約ねぇ」




ボスン、とベットに勢いよく寝ながら私はふうと息を吐いた。





自分の部屋は、やっぱり落ち着く。






だって、お母さん達の前だと“良い子ちゃん”しなきゃいけないし―――。







母が看護師、母の再婚相手の父が大きな病院の院長っていうのが私の運のツキというか、何と言うか…。






でもそのおかげで凄い裕福な暮らしはしてるし、私は母や父も大好きだ。







だから、その両親が認めた人にも会いたいと思わないわけではないし、私には彼氏はいない。







だったら…、






「会った方がいいのかなぁ」





どうすればいいんだろう。