「琴乃、降りなさい」




「あ、うん…」




そんな事を言っている内に、車は目的地にへと到着した。





高級なレストランなどが密集している渡辺ビルへと。






そのビルの最上階の奥のレストラン。





会員制のこのレストランは、権力者でしか入れない。






「今日予約している野口だが、柊さんはもう来ているのかね?」






「あ、これはこれは野口様。いつもご贔屓にありがとうございます。柊様は、あちらの方に―――――」





店員の人が、私達をその人達の下に連れて行く。




私は内心ドキドキしていた。