だから、どうにもこの服が私に似合っているとは思えない。 「…本当に平気?」 首を半回転させ、後ろを向くと耳につけたイヤリングが揺れた。 「十分似合ってるわ。大丈夫よ。琴乃もこれからはこういう服を着なさい」 お母さんは私に上着を着せ、オシャレなバックを渡す。 これから履く靴も一流品らしい。 「……はい」 素直に頷きながら、私は一流な靴を履き外に用意してあった車に乗り込んだ。 私はこの時、いつも不自然な気持ちになる。