―――――柊 徹平said 「徹平ったら、何ボーっとしてるわけ?」 「…ん、梨恵子か」 「私が声かけちゃいけないってわけ?」 ふふっ、と微笑しながら梨恵子はカクテルのグラスを傾ける。 「お前みたいな女だったら、大歓迎だな」 腰に手を添えて、梨恵子に口付けをしながら俺はやや首を傾けた。 「そんな事言って、最後までは手を出さないくせに」 ここは、住宅街から少し離れた所にあるバー。 俺の休み場とも言える場所だ。