日は紅くリンゴのように輝き、地上から一時その姿を暗ませかけていた頃。
無事りんごを回収して帰路に立つ僕と他二名がいた。
今朝の出来事と成り行きで連れてきて少女「りんご」の説明をりくにしていた。
「へぇ~、りんごちゃんっていうんだ~、よろしくね~」
「よろしく………」
りんごはまた口下手で無口な女の子に変わっていた。
りくは部活後だ。汗をびっしょりとかいた体操服が少し煩悩を刺激する。
「真人」
「なんだ?」
「鼻………」
「鼻?」
「ふくらんでる…………」
いやらしい思考が顔に出ているぞ………。
りくは苦笑するも、恥じらう様子はないようだ。
おっとりしてるのはわかるが、少しは前かくせよ。
「そら…………」
不意にりんごが話かけてきた。てか初めて話しかけられた?
「はな……………」
いや違うんだ、きいてくれ。これは………あれだ、その………痒いんだ。ゴミが入って痒かったんだよ。
「醜いぞ同士よ!」
「同士じゃない!!」
「クスクスクス………」
「………………」
りんごが加わったものの、普段と変わらない会話にほっとする。
この二人には、天使の事とか俺の運命については一切話してない。
真人もあえて聞こうとしないから、いずれゆっくり話す事にした。
そもそも、突然過ぎてまだ俺が混乱してるからな…………………。