僕はある疑問をいだいていた。神はほとんど人類を諦めている。

なのになんでだ?


「なんで天使が人類を守るんだよ? つまり神が人類を守ってるってことだろ?」

「私は人類を救いに来たのではありません。あなたを助けに来ました。それが人類を助けることになっただけです」

「俺を………、なぜ?」

「………内緒です」


急に恋する乙女のインスピレーション的な言い回しになった。
キャラが定まってないなぁ………


「………………君の名前なんなの?」

「残念ながら、私という個体には名前はありません」

「名前ないと困らない?」

「人は木になっているりんごが一つ落ちてきただけで、それ一個にりんごという品種名以外に名前を付けるのは稀でしょう?」


しかし例え話にまでりんごがでてくるんだな。よっぽど好きなんだな……。


「じゃあ君は稀だ……今日から僕はリンゴって呼ぶよ」

「リンゴ…………」


なんと安直なネーミングセンスだ。………………まぁ凄い喜んでるからいいのかもな。

かくしてリンゴ(決定)の謎を解いたので、僕は急いで教室に向かう事にした。
去りぎわに振り返ると、白く輝く髪にほっぺたを紅くした彼女が満面の笑みで僕を見送っていた。



「まるで、白い林檎だな」