「屋上の道のりってこんなに厳しかったか?」

「しらないです………」

「………………」


かくして無事¨屋上¨にたどり着いた。
日差しが暖かいし風も少ない今日なら、居心地もわるくないだろう。


「ここなら人も来ないし、下校までかくまえるだろう」

「だな! 番長が下校まで見張っててくれるらしいしな」

「ばんちょー…………」


かくして番長を仲間に加えた天使であった。


「なんかいろいろ訳がわからんから説明してくれよ………天使ちゃん?」

「わかった」

「俺がいたらまずいなら、先に教室いくぞ?」

「……そうしてくれ」

「おう! また後でな!」

「うん」


そして真人は、先に説教をくらいにいった。
屋上の扉がしまると、彼女はゆっくり話し始めた。


「………私は天より遣わされた、いわゆる¨天使¨にあたります」

「………うん」


さっきまで単語を並べるのが精一杯だった彼女が一変した。ホームの時と逆だ。

「世界は何度も¨最善の形¨になるまで繰り返されています。あなたは今日という日が何度繰り返されているか知っていますか?」

「………さぁ?」

「今日を含め、99.999.999回目です」

「そ………そんなに!?」


なんてスケールのデカイ話なんだよ。


「だからなんなんだ?」

「つまり、未だ世界は¨最善の形¨になっていないのです」

「なるほど…………」

「その一番の原因は藍花 そら、あなたです。」


すっと冷たい風が通りすぎて、沈黙が続いた。



――――オレノセイ?