その時、

ガラガラ―――‥

教室のドアが開いた。


びっくりして顔を上げると

担任の西村だった。

西村も泣いてる私にびびったのか

またドアを閉めて出て行った。


(生徒が、泣いてるのに‥…!)


だけど、今はほっといてほしかった。

何となく好都合だった。


それなりに落ち着いて涙も止まった頃、

西村はまたやって来た。


「どしたあ?」

なんて言いながら、

手には二人分のコーヒーを持っていた。