――え、合併?


そんな話が持ち出されたのは、去年の暮れ。


経営不振だったとき。


神の助けだと思った。


本の一瞬だけは。


条件があったんだ。


――相手会社の娘と結婚すること


それが出された。


アタシたちは毎日話し合い。


ギリギリのところまで、待った。


だけど策なんてなくて、一社長である彼は、その申し出を、承諾するしかなかった。


苦渋の決断。


今でもまだ、好きなのに…。