おやすみ、


と息を吐き出すぐらいの
音量でお母さんは
あたしに言い


扉を閉めた



自分の部屋なのに
何にも安心しない、
ぽっかり空きすぎた穴が
ふさがらなさすぎて


逆にその穴を埋める代わりが
いなくて途方に暮れた




「..明日、学校か」



ばふん、とベットの上に
身を預けたまま枯れた涙の
後が残る頬に違和感を
感じながら呟いた




明日、莞はいないんだ