“エイプリルフール”だから、嘘を言ったんじゃなかったの…?
ずっと聞きたかった。
ねぇ、湊斗。
今でもあなたを忘れられずにいる私は、愚かなのでしょうか?
泣いて泣いて、泣いたあの夏。
涙ももう、枯れてしまった。
あのキスが最後。
あの『愛してる』が最後。
君以外の『愛してる』なんていらなかったのに。
なんでよ。
どうしてよ。
私から、離れていかないで。
何もいらないから。
だから、傍にいてよ…。
それさえも、届かない願い。
「…陽愛…」
憂依の瞳が私に告げていた。
『無理して笑うな』って。
「…憂依には私が無理してること、バレバレだよね」
長い付き合いだもの。
私が、いつも憂依の変化に気付くのに、私よりも洞察力に優れている憂依がわからないはずがない。