「じゃあ、私からも問題ね!」

「…マジかよ…。俺、英語の和訳苦手なんだって。
まだフランスのが―――」



……やっぱり。



「じゃあ、フランス語で言ってあげるよ」

「はぁ?
陽愛、フランス語喋れんのかよ?」



…言ってやらないんだから。

……湊斗が『大学入ったら、フランス語を専攻したい』っていうのを聞いていたから、がんばって独学でしてる、なんて。



「まぁ、いいじゃない。

『Quand il y avait ensemble le lorsque je suis parti le temps à tout, je l'aimais.』
はい、訳してみて?」



独学だったから、少し不安。

間違ってないかな。


すると、5分もたたないうちに、


「……はっ、簡単すぎだな」



彼はそう呟いた。

暗くて、表情は見えなかったけど。
嘲笑うような、そんな声で。



「何よ?言ってみてよ」

「私もずっと、離れている時も一緒にいたときも愛してたよ。だろ?」

「…正解だよ」