「俺が入院してたアメリカの病院の先生が言ってたんだけどさ。
人間ってな、どんなに大口たたいたって、どんなに威張ったって、やっぱり一人じゃ生きていけねぇんだよ。
常に誰かを求めてんだ」
「…うん」
「誰でもさ、『俺はできないから』とか、『あたしは絶対に無理』って決めつけるけど、ホントはちょっとの勇気を出せば、何でもで金だよ。……それが、手術であろうと、……告白であろうと」
「…うん?」
「……俺が言いたいのはこの先で…、
先生に『俺、絶対に生きて帰れねぇかもしれねぇ』って弱音はいたことがあるんだよ。
…今だから言うけど、手術して生存率は五分五分だって日本では聞いてたからさ。
そしたら、
『Man can do it anything, if courage takes. 』
って言ってくれてよ」
―――Man can do it anything, if courage takes.
和訳すると、
『人間は勇気を出せば何でもできる』
「…いいこと言う先生だね」
「だろ?俺もかなりジーンときてさ。
中でも、『It can do anything in the courage of mere a few, and efforts of mere a few.』
……『ほんの少しの勇気と、ほんの少しの努力で何でもできるんだ』って言ってくれてさ。」
『ほんの少しの勇気と、ほんの少しの努力で何でもできるんだ』…か。
確かに、その通りだね。
わかっているようで、わからないもんなんだね。