ねぇ。
私は夢を見ているのかな。


湊斗にまた、抱き締められる日が来るだなんて。

夢みたいだよ。



「…陽愛…っ、陽愛…!」



苦しそうな、
悲しそうな声で私を呼ぶ湊斗。

あなたの抱えていたものは莫大で、苦しくて、辛いものだったのに。

今まで苦しんできたのは私じゃない。

―――湊斗なのに。


私は、どうして湊斗を疑ってしまったのだろう。


それでも湊斗は『陽愛』と呼んでくれる。

湊斗…。



「湊斗…っ!」



あなたにずっと逢いたかった。

抱き締められ、
涙を拭わず流したまま、空を見上げると、

その瞬間、夏の夜空に一筋の流れ星が流れた。



「あ!!」



私は大きな声で言った。